サステナビリティが注目されてきた理由にサステナビリティパフォーマンスと財務業績に重要な関係があることが学術、企業経営者の中で認識されてきたことが挙げられます。ハーバードビジネススクールによるとサステナビリティに積極的に取り組んでいる会社はそうではない会社よりも高い市場リターンだけでなく会計的なリターンも得ているそうです。この見解は他のリサーチの見方とも一致しており、サステナビリティと財務業績の間にはネガティブ関係がないことがわかっているそうです。ただサステナビリティと財務業績の関係は因果関係ではなく、相関関係であるといわれています。さらにサステナビリティに取り組んでいる企業の中でも重要なサステナビリティ項目にフォーカスして投資している企業の方がより高い会計的リターンとリスク調整後の市場リターンを得ていることがわかっているそうです。
日本の企業はCSRの大義名分のもと幅広いステークホルダーに向けて様々な活動をしております。しかし、それらの活動は必ずしも財務業績と相関関係があるものではないように見えます。日本企業のCSRがガラパゴス化を避けるために現行のCSR活動を見直し、重要なサステナビリティ項目にフォーカスした財務業績の向上を目指すサステナビリティビジネス戦略を考えてはどうでしょうか。
Comments